いつも前月号まで残っているのに
関ジャニ∞が表紙の号はあっという間に売り切れる我が街の書店。
発売翌日、私が手にしたのも最後の一冊でした。
どんだけエイターが多いんだ…
一読してすぐに盟友と「CUT ヤバいな」と話しました。
彼女も書いていたと思いますが
エイトは本当に来年、大丈夫なんだろうか?
デビュー15周年本番なのに、明るい展望が見えてこない。
それほど正直過ぎる6人の言葉に少しうちのめされています。
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関ジャニ∞ 6人それぞれの今
CUT No.403 2019年1月号
6人になった関ジャニ∞に「今」をありのまま語ってもらうインタビューをしたいと思っていた。 (中略) 事前に何を語ってほしいとは6人に伝えていなく、ここで語られているのはそれぞれから自然と出てきた言葉である。お互いが何を語ったかも彼らはこの本が出るまで知らない。だから内容の説明は何も書かない。あまりにもリアルで正直な6人の言葉をとにかく読んでほしい。話を聞いている間は必死だったが、僕は最後のインタビューまで読み終えて自然と涙が出てしまった。皆が愛する明るく楽しく人間臭く美しい関ジャニ∞の物語が、ここから続いていくことを願うすべての人に届けたい。(古河晋)
テキスト 古河晋(錦戸、横山、安田、丸山)、川辺美希(大倉)、飯倉聖蘭(村上)
撮影 神藤剛
―――2018年はどんな1年だった?
2月にすばるくんが抜けることを聞いて、そこからやることは決まってましたから。どうやってそれを6人でやるかっていうことしか考えてなかったですね。今までにないくらい、よぉ会議してましたね。よく考えた年でした。
やっぱりドームツアーは変わらざるをえないタイミングでしたし、大きかったですね。でも次からですね、難しいのは。今回は、やるしかないというか、気持ちで乗り切った感じがします。
今年はいろいろあり過ぎて、次を考える心の余地がまだないような気がしていて。普通じゃないことが多かったし、予想をしていなかったことも経験して、今こうなっているっていうのには意味もあると思うし。
いろいろありましたね。すばるが腹決めたってのは、ヨコとすばると3人で早めの段階でしゃべってて。彼とは幼なじみみたいなもんですけど、考えても仕方がないタラレバはさておき、割り切るために時間をあてるしかなかったのでね。
今の心境で言えば、一段落したというか、ちょっとほっとしている情況ですかね。いい意味でも悪い意味でも、関ジャニ∞というグループが世の中に注目していただいた年でした。
一生憶えている夏になったと思います。長く見たときに、ファンのみなさんも、僕らも、渋谷すばるという男も『あの決断は間違いじゃなかったね」って、そうならなきゃいけない決断をしたと思うので、『2018年は、ターニングポイントやったな』って、笑い話になったらいいなって今は思いますけど。
ひとりメンバーがいなくなることは、関ジャニ∞にとっても衝撃だけど、応援してきてくれた人にとっても衝撃的なことで同じようにひずんだと思います。次に歩み出してる人間もいれば、心の傷がまだ潤いきってない人、その傷がやっとかさぶたになってきた人もおったり、さまざまな人たちが生まれた年でもあった気がしますね。
大きい出来事としては、すばるくんの脱退とヤスの怪我ですよね。ベストアルバムを出したし、5大ドームに立てて海外公演もできたし、陰と陽どっちもあった年だなと思います。今振り返ると、渦中にいる時は内臓にずしーんって鈍い痛みがあるような感じで、思った以上に響いたなと。
―――すばるくんのいない「穴」を埋めることについて
ひとり抜けたら全然違うし、6人の姿をすぐに見慣れるほどちっちゃい渋谷すばるでもないし。彼の抜けた穴を感じさせないように頑張ってるけど、やっぱり無理あるので、まだ全然、整理はついてないと思いますね。
ずっとアイディアを出し続けてきて今に至るんですけど、今回は改めて、それぞれにインプットの時間が必要なのかなっていうのは思いましたね。やっぱり何かを入れなければ出せるものもないし、でもマイペースでいいんじゃないかなとは思っています。
若いときなら勢いで『6人を見ててくれ』っていうだけでやりきれたこともあったかもわからないですけど、ファンの中には昨日今日ファンになってくださった方もいれば、我々と同じだけ時間を過ごしてくれた方もいるわけで、そこは委ねるしかないのでね。あくまで僕のスタンスは、これですよって提示しかできなかったです。
6人でもできると思いました。ドライに聞こえるかもわかんないですけど、ホンマにやらないといけないっていう気持ちで、正直やってる最中で、すばるの残像が出てきたりもしましたけど…メンバ―みんな歌上手いし、単純に6人でやるってことには不安要素は感じなかったですね。
今回はファンの子たちを引っ張らなきゃっていう気持ちもあって、頑張って必死に引っ張ろうとしてましたね。で、渋谷のハイセンスなボーカル力とバラエティ能力は、やっぱすごかったから。そこには、対応しきれてなかったんだと思います。僕の感覚ではね。
(すばるくんがいないことで、彼の存在を感じている部分もあり?)う~ん、否定できないですね(笑)。それはもう絶対そうやし。すばる君の最後の『関ジャム』のときに亮ちゃんがああなったのはびっくりしたけど、すごく素直な人やなあって。表現するうえではああいう感情は大事なものだし、いいメンバーやなあって思いましたね。
―――シングル“ここに”について
WANIMAからの『おまえら、こうあってくれよ』っていうメッセージにしか感じられなかったです。すごく励まされた感じです。ほんまにラブレターじゃないかって、ツアーのアンコールのラストで歌ったんですけど、6人でコンサートをひととおりやって、そこで歌うから効く歌だと思いました。
『始まるんじゃない始めるんだぜ!!』って言葉にまずガツンときましたね。こうなったから流れで始まっていくんじゃなくて俺らが始めていくんだっていうのは、彼らからのエールなのかなって、どうしたらいいんだろうって辛かった時期にこの歌を歌うことで助けられた気がします。
振付もなくフリーで歌ってますけど、歌のチカラもあって、ここまで気持ちが乗せられるから、歌だけで表現できるんだと思いますね。
言葉にならんですよね。入ってきすぎて、すげぇ考えてくださったのがわかって、染み渡りましたよ。だから、余計なことは考えずに自分ができることを精一杯やろうっていうことと、ライブで披露するときも小細工なしといいますか、WANIMAの気持ち含めて、観に来てくれた方に全力で届けたいっていうことくらいしかなかったですね。
ライブで初めて歌ったんですけど、お客さんがすごい熱量で、僕らの背中を押してくれてるって感じて。曲のパワーとお客さんのパワーが相まって、ここからやるしかないなっていう思いにさせてもらいましたね。
ライブのリハの時にメンバー全員で聴いて、ほんとに宝ものをもらった感覚でしたね。メンバーの空気が変わるくらい。WANIMAが、どんだけ時間を費やして彼らの体に関ジャニ∞をインストールして作ってくれたんやろうなっていうのをまず思いました。彼らもメンバーが入れ替わった過去もあるし、そういう経験があるからこそ、ここまで説得力があるんやろうなと思います。
曲が自分の身体の一部としてすんなり入ってきましたね。レコーディングで歌ったときにはこみあげてきてしまったりとかして。WANIMAさんのデモを、飲みながら聴いて泣いたりもしました(笑)。この曲で、音をうまくはめることを意識しすぎるんじゃなくて、もっと気持ちを込められるようになりたいなって思いました。そういうことを意識すると、すばるくんを思い出すんですよね。彼の気持ちの込め方を近くで観てきたから、どこかにそれをやってみたいって気持ちがあって。
―――個人仕事について
2年前に撮った映画が公開されて、そのあと大河に出演させてもらって今ドラマを撮ってます。ありがたいことにグループの活動は当たり前にある中で、役者のベースもあるという状態ですね。いろんな作品に声かけていただけるのは光栄だし大河に初めて出させてもらえたのも嬉しかったです。
(関西ジャニーズJr.のライブプロデュースについて)すごく面白かったですね。客観的に物事を考えられるようになりました。この経験で得たもので、自分たちの演出にも違う風を吹き込めたらなって思いますね。大事なのは、どの年齢になっても素直な心でいることだなって。僕自身、正解はひとつだと思ってるところがあるんですけど、いろんな視点から見なきゃいけないし、いろんな正解があるっていうことも思いましたね。
(『モンテ・クリスト伯』の経験は?)面白かったですけど、手応えというと、まだまだだなと思いました。
ここ数年で一番忙しかったっちゃ忙しかったのでね。『27時間(テレビ)』はそれぞれ違うスタッフと違う現場に行っていろんなものに向き合ったり、気を張ってたんやと思います。レギュラーは何本あるとか自分で数えてないのと、週間スケジュールは見ないようにしてます。そんなん気にしてたら、やってられなくなるので、新鮮みもなくなるしね。当初は増えるほど嬉しかったけど、年齢とともに変化してきたのかなぁ。
夏はドラマもやって、ツアーもありましたから、むちゃくちゃ働いたなと思います。こんなに忙しかったことはないんじゃないかってくらい夏は忙しかったです。
個人的には、ツアーもドラマも、関西テレビの60周年記念番組も終わったので、今、一段落してる感じですかね。
(会見に一緒に立てなかったことについて)悔しい思いが一番強かったかな。ベッドでテレビ観てる自分をグループに所属してないように感じたし、これだけ大きなことが起こってるのに関ジャニ∞としてそこにいれなくて、自分の言葉を届けられなかったっていうのは、悔しいというか納得いかなかったです。
『泥棒役者』を舞台でも主演させてもらって、(脱退発表の)会見の日が、東京公演の初日だったんです。そこで僕が生で姿を見せて、舞台を楽しんでもらうのも大事だと思ったんです。僕自身も舞台に打ち込めたことで、内側に向かわなくて済んだ部分もあったから助けられましたね。それに、これは起きたことと関係ないかもしれないけど、涙もろくなりましたね。三宅(健)くんの舞台『二十日鼠と人間』を観に行ったんですけど、初めて舞台で嗚咽しました(笑)。今年はいろんな感情をもらったからそれもあるのかもしれないです。
―――関ジャニ∞のこれからについて
(6人でどうやっていくか考えることが、すごく今の関ジャニ∞のエネルギーという感じがするが…)うん、汚いガソリンやなあと思いますけどね(笑)そのエネルギーがなくても一生懸命やっていくべきなんですけど。やっぱり15年一緒にやり続けるってすごい難しいことだと思うし。
(すばる最後の『関ジャム』で泣いた、ああいうときに裸の感情が出ることと、「やるんだ、6人で」って進む錦戸くんってつながってますよね)僕の中では、こっちがカッコよくない?って思う方を選びたいんですよね。背伸びしてカッコつけてるだけだと思いますね。で、カッコつけきれてないのが、ああやって泣いちゃうところとかじゃないですか。もうしょうがないっす、三男坊なんで(笑)。
それぞれが今できることに挑戦してグループに還元していけばいいんじゃないかなっていうのは思いますね。僕たちは言われたことだけをやって満足する年齢じゃないし、本当に心を込めてお客さんの前に立つのは、すごく責任感が必要なことだから、そのために何ができるんだろうっていうことには、いろんな選択肢があると思いますね。
これからは、従来の作り方じゃダメな気がしてますね。プラスアルファをやっていかなきゃいけないのかなって。今、具体的にこうしたいっていうのんは、わからないのが正直なところですね。自分ひとりの意見で何かを動かすには、関わる人が多くなりすぎたなっていう気もしてます。なんか自分らのものであって、自分らのものでないような感じがしたのは今年の心境の変化かもしれないですね。大阪時代やったらこうしてみようってできたけど…。
まだ全然考えてないです。ただ、今、関西Jr.の子の演出をやってるんですけど、教えてもらうことも多いし、刺激を受けてるので楽しいですよ。
中途半端にやってたらこの子たち終わんねやろな、とか思ったら、中途半端にやれないというか。それはきっと、周りのスタッフが関ジャニ∞に抱いている思いと一緒で、Jr.を通して外部からの見方を知りましたね。
6人一緒の考えにはならへんし、ぶつかるし。でも、それでいいと思うし。仲良いに越したことはないと思いますけど、別に仲良しこよしが正解なわけじゃないですしね。僕らにとって明るい未来になるよう、やっていかなきゃなとは思ってます。
(音楽以外の部分でも、グループ内の空気はやはり変わったんですね)うん、たとえば調和とか目に見えない温度感とか空気感とか、7から6っていう目に見えない物が、大きく大きくひずんだんだと思います。でも、僕、なまものが素晴らしいと思っているので、大きなひずみが生まれたってことは、それだけ大きなエネルギーが生まれるはずで、僕は今年、そのエネルギーの強さの素晴らしさ、大切さ、繊細さに気付きましたね。僕個人としても、嘘が好きじゃないってこともすごくわかったし。汚くもがいてるくらいのほうが臭くていいなって。僕は臭いほうが綺麗だなって思っちゃうから。これも一つのアイドルかもねって届けたいかなあ。型にハマったアイドル像を求めてるファンのみなさまには、申し訳ございませんって感じかな(笑)
僕は、関ジャニ∞っていう形があれば満足なんです。そこに僕は生かされてると思うから。関ジャニ∞がなくなることになったら、僕はこだわるかもしれないです。そうなったらなぜなくならなきゃいけないのか考えるけど、どんな形でもあってくれればいいです、メンバーがいてくれたら。
だから、次にみんなの前に立つときにどうなってるかが勝負です。今は蛹ですね。無理くりこじ開けられたらドロッとしたものしか出てこないので、今はそれでもさらけ出さなきゃいけないから、結構大変です(笑)。でもこれからそれぞれがまた、お芝居だったりバラエティだったりに留学して、関ジャニ∞っていう国に戻ってくるわけですから、それが楽しみですね。
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このテキストを読んで考え込んでいる最中に
嵐の20周年ドームツアーの日程が発表になり。
関ジャニ∞は5大ドームツアーをやれる数少ないアイドルグループではあるけれど
嵐の、本腰を入れたとでも思わざるを得ないツアー日程は
関ジャニ∞のそれが入る隙間などないような気がして
そのうえにこのCUTのテキストの6人の本音を読み深めると
ちょっとナーバスになってしまいました。
私はこの1年、
関ジャニ∞とどう付き合っていたかというと。
亮ちゃんが言うように
やっぱりひとり抜けた穴は大きくて
それを埋めるのにしゃかりきになっているのを、ファンとしてとにかく応援するしかなかった。
村上くんの言うとおり
彼らのものであって、彼らのものでないグループ。
プレミアムフライデー、大阪観光キャラクター、USJアンバサダー、台湾公演…次々に任命される大きな役割を観ていると
それほどに大きくなってしまったのだな…と実感もします。
でも
横山くんが言うように
デビューして15年も経って、もういい大人なんだから
6人が仲良しこよしでなくたっていいと思うんです。
マルちゃんが、グループって一緒なのが当たり前じゃないと思う反面、今回の事を乗り切るために正直にぶつけ合うメンバーの新しい一面を知ったように
個人仕事のときにどこかでグループのことを考えてしまう亮ちゃんもしかり
15年同じメンバーでやってきた関ジャニ∞という存在が、彼らの支えになっていてくれたらいいなと。
ヤスくんが言うように
大きなひずみをエネルギーに変えて、汚くもがいている関ジャニ∞をこれからもずっと見ていきたいなと思っています。
きれいでカッコいいだけの型にハマったアイドルなんて
最初から興味ないし!(笑)
それには
大倉くんが言うところの「インプットの時間」が今は必要なのかな…と気がしますね。
毎年ドームツアーをしてくれたらそりゃあ嬉しい。
できることなら毎年逢いに行きたい。
でも、今年、疲弊しきった彼らには休息も必要だし、
「新しい何か」を入れたり、
今やってることの積み重ねも大事。
わかってる。
8周年のとき、10周年のときは
もっともっと上がある!と言い続けていた彼ら。
15周年ではさすがに言わないねぇ…
熟成してきたところに、ひとり抜けて先が見えにくくなってきたのでしょうかね。
でもいいよ。先は急ぎません。
長い目で見たらまだ15年やもん。
彼らも充実した40代アイドルライフに向けて
蓄えないといけないものいっぱいあるでしょう。
最後に横山くんの言葉で締めたいと思います。
『2018年は、ターニングポイントやったな』って、笑い話になったらいいな。
そして今年最後のレンジャー
8の付く年に僕たちは、いろんな動きがありました。
このまま続く、あたりまえの日常。
現実はそうじゃない。
この先も、何が起こるかわからないですが、
負けないように、後悔しないように。
ほんまに背中をおしてくれてありがとう。
何度もささえられた。
2019年も共に歩んで行こうね。
ほんまにありがとうね。
よいお年を。
こちらこそ
関ジャニ∞を存続させてくれてありがとう。
共に歩んでいきます。